頼れる人がいても、頼れない夜はある。産後の私を救った2時間の話
昼は平気なのに、夜の寝かしつけだけがつらかった
不思議なもので、昼間の寝かしつけは平気でした。
でも、夜は違いました。
部屋が暗くなって、抱っこしても抱っこしても寝てくれない夜は、本当にどうしたらいいか分からなくて、メンタルをまるごと持っていかれるようでした。
授乳も寝かしつけも、両手はいつも塞がっています。
だから何かを調べられるのは、子どもがやっと寝てくれて、手が空いた瞬間だけ。
本当は1秒でも多く寝るべきその時間に、私はスマホを開いて、InstagramやYouTubeやブログで「寝てくれない理由」を探していました。
そして情報がありすぎて、答えが見つからないまま、余計に眠れなくなるのです。
欲しかったのは情報ではなく、先輩の一言でした
あとから気づいたことがあります。
私が夜な夜な調べ物をしてしまったのは、情報が足りなかったからではなく、情報がありすぎたからでした。
ありすぎるから、「調べればどこかに正解があるはず」と思って、手放せなくなる。
本当に欲しかったのは、育児の先輩である助産師さんの「それはこうすればいいよ」という一言だったのだと思います。
一言もらえたら、「もうこれ以上調べなくていい」と安心して眠れたはずでした。
思えば入院中も、助産師さんに「いつでも呼んでね」と言われていたのに、ナースコールを押すのは悪い気がして遠慮していました。
それでも、産院でお風呂やマッサージの間だけ赤ちゃんを預かってもらえた時間のことは、いまでも忘れられません。
1日たった2時間、預かってもらえるだけで、心がものすごく軽くなったのです。
「この2時間が、退院したあとも続いたらいいのに」。それが、私が産後ケアの価値を理解した原点でした。
あの「2時間」は、制度として使えます
あの頃の私が知らなかったことを、3つだけお伝えさせてください。
1つめは、「産後ケア」という制度があること。私が救われたあの預かってもらえる時間を、退院したあとも助産師さんの支えつきで使える、公的な仕組みです。
2つめは、多くの自治体に助成があり、思っているより少ない自己負担で使えることが多いということ。数千円ほどで利用できる地域もあります。
3つめは、いますぐ全部を理解しなくていいということ。まずは「自分の住む区で何が使えるか」を、見るだけでいいのです。
・産後ケアという公的な制度があります
・自治体の助成で、数千円ほどで使える地域もあります
・まずは自分の区で何が使えるかを「見るだけ」でOKです
条件を選ぶだけで向いている使い方が分かる産後ケア診断や、区ごとの自己負担額をまとめた東京23区の産後ケア早見表から、まずは眺めてみてください。
夜中に何十件も調べなくても、ここだけ見れば分かる。そういう場所を、あの頃の自分のために作りました。
頼れる人がいても、頼れない夜はある
じつは私は、産後1ヶ月を実家で過ごしました。
母が手助けしてくれて、「甘えていいよ」とも言ってもらえていました。
それでも、本当に助けてほしい夜には、遠慮して頼れなかったのです。
「ここは自分でやらなきゃ」と、勝手に思い込んでいました。
だからもし、あなたが誰かのそばにいるのに頼れずにいるのなら、それはあなたが弱いからでも、意地を張っているからでもありません。
頼れる人がいても、頼れない夜はあるのです。
そういう夜のために、遠慮のいらない「仕組み」に頼るという選択肢を、覚えておいてほしいのです。
ひとりで抱えないでいい
心や体がつらいと感じるときは、どうかひとりで抱え込まないでください。
・体調や気持ちの不調が続くとき:かかりつけの医師や産婦人科へ
・産後ケアや育児の支援について:お住まいの自治体(市区町村)の窓口へ
・気持ちがつらくて眠れないとき:自治体のこころの健康相談窓口へ
そして、少し調べてみようと思えたときには、条件で選べる産後ケア診断から始めてみてください。
あなたのつらい夜が、1日2時間でも軽くなりますように。

