料金と助成金

産後ケアとは?市の事業とホテルの違い、種類・対象・料金・申請の仕方

産後ケアとは?市の制度とホテルの違い、種類・料金・申請のアイキャッチ
つぐみ

産後ケアとは、産んでから1年以内の母親と赤ちゃんを、助産師などが支える市区町村の制度(産後ケア事業)です。助産院や病院に泊まる・日帰りで通う・家に来てもらうの3つの形があり、市の助成があるので1回1,000円〜数千円で使えます。

民間の「産後ケアホテル」は、この市の制度とは別ものです。

2024年度は、市の産後ケアを使った人の数が出生数の24.7%、およそ4人に1人の割合でした(財務省の2025年の調査)。

私は医療者ではなく、産後ケアを使った側の人間です。制度の数字は出典をつけ、体の判断は産科へ。自分の市の金額だけ知りたい方は料金の章のシミュレーターへ飛んでください。

産後ケアって、お金を出して泊まる豪華なやつですよね?

それは民間のホテルで、1泊数万円。市の産後ケアは、助産院や病院に数千円で泊まれる仕組みですよ。ここを分けると迷いません。

目次
  1. 産後ケアとは?助産師などが母親と赤ちゃんを支える市の制度
  2. 産後ケアの種類は泊まり・日帰り・訪問の3つ
  3. 産後ケアの内容は体のケア・授乳・赤ちゃんの預かり・育児相談
  4. 産後ケアの対象はいつまで?法律は産後1年、市の上限は4か月〜1歳
  5. 産後ケアの料金は、日帰り1,500円・訪問1,000円が真ん中
  6. 産後ケアは必要?不調でなくても、休みたい人は使っていい
  7. 産後ケアの申請は保健センターに電話、妊娠中にできる市は155
  8. 産後ケアのよくある質問
  9. 出典と、この記事を書いた人

産後ケアとは?助産師などが母親と赤ちゃんを支える市の制度

母子保健法は、産後ケアを「出産後一年を経過しない女子及び乳児の心身の状態に応じた保健指導、療養に伴う世話又は育児に関する指導、相談その他の援助」と定めています(17条の2)。

かみくだくと、産んだあとの母親の体と心・授乳・赤ちゃんの世話を、助産師などの専門職が手伝う仕組みです。行うのは市区町村で、お金は国と都道府県も出しています。

市の産後ケアと民間の産後ケアホテルは別もの

「産後ケア」で検索すると、市の案内ページと、1泊数万円のホテルの記事が並びます。

市の産後ケアと民間の産後ケアホテルの違い。運営は市区町村と民間、料金は日帰り1,500円・訪問1,000円・泊まり1泊2日4,250円が真ん中と1泊2日39,000〜143,000円、対象はその市の産後1年以内の母子と市を問わない、予約先は市の保健センターと施設に直接
市の産後ケア民間の産後ケアホテル
運営市区町村(実際のケアは助産院・病院・産後ケア施設に頼んでいる)ホテル・企業・助産院など民間
料金の目安日帰り1,500円・訪問1,000円・泊まり1泊2日4,250円が真ん中(当サイト調べ)1泊2日39,000〜143,000円(営業中23か所)
対象その市に住む産後1年以内の母子(市で月齢の上限あり)住んでいる市を問わない。施設ごとの対象週数
予約先市の保健センター(子ども家庭センター)に申請してから施設施設に直接
助成あり(表の料金は助成を引いたあとの額)原則なし(一部の市が助成の対象にしている)
2026年10月6日確認。料金の真ん中の値は、当サイトで集めた1,297市区町村の公式データ(2026年9月24日時点)から

民間ホテルの料金と場所は全国の産後ケアホテル一覧にまとめています。

産後ケア施設は助産院・病院・市のセンター・民間ホテルの4種類

助産院、産科のある病院やクリニック、市が設けた産後ケアセンターの3つは、市が産後ケアを頼んでいる先(委託先)です。市のページに「利用できる施設」として名前が載ります。民間の産後ケアホテルは、施設に直接予約します。

産後ケア事業とは:法律で市区町村に求められ、94%が実施している

2019年の法改正で、産後ケア事業は市区町村の努力義務(必ずではないが、行うよう努める決まり)になりました(2021年4月施行)。財務省の2025年度予算執行調査によると、2024年度末で全国1,741市区町村のうち1,644(94%)が実施しています。

利用率は、泊まり・日帰り・訪問を使った人の合計を出生数で割った数字で、泊まりと日帰りの両方を使った人は2回数えます。同じ調査で利用率を出せた1,434市区町村の2024年度の合計は24.7%でした。財務省はこれを、こども家庭庁が公表している2023年度の15.8%に比べて高い水準だと書いています。

産後ケアの種類は泊まり・日帰り・訪問の3つ

産後ケアの種類は泊まり・日帰り・訪問の3つ。泊まりは1泊2日4,250円で1,172市区町村、日帰りは1日1,500円で1,184市区町村、訪問は1回1,000円で1,084市区町村

泊まり(宿泊型):助産院や病院に1泊2日から、ふつうは7日まで

助産院・病院・産後ケアセンターに、赤ちゃんと一緒に泊まります。国(こども家庭庁)のガイドラインの決まりは原則7日以内で、分けて使ってもかまいません。市が必要と認めれば延長もできます。

夜も助産師などがいます。夜に赤ちゃんを預かるかどうかは施設ごとに違うので、予約の前に確かめてください(聞き方はよくある質問に書きました)。産院の入院をそのまま延ばす「産褥入院」とは別で、産後ケアは退院してから使います。

1日のスケジュールは施設の公式サイトに載っています。何泊にするか迷う方は入所時期と泊数の記事へ。

日帰り(通所型):朝から夕方まで施設で休み、授乳の相談と昼食

時間は市と施設で違います。たとえば京都府京丹後市は10時〜18時で、利用料は無料、自分で払うのは食事代だけです(2025年4月1日更新の市のページ)。

日帰りと泊まりの回数を別々に数える市なら、両方を上限まで使えます。

訪問(訪問型・アウトリーチ型):助産師が家に来る。訪問看護とは別

助産師などが家に来て、授乳と体の相談にのります。施設によっては赤ちゃんの体重も測ります。家から出なくてよいので、上の子がいる方や、産後すぐで外出がつらい方が使います。

名前が似ている「訪問看護」は別ものです。医師の指示で看護師が来る、医療保険の仕組みです。市のページで「訪問型」「アウトリーチ型」と書いてあるほうが産後ケアです。

宿泊型=泊まり、通所型=日帰り、アウトリーチ型=訪問

法律・ガイドラインの名前市のページでの呼び方この記事での呼び方
短期入所(ショートステイ)型宿泊型・ショートステイ・泊まり泊まり
通所(デイサービス)型日帰り型・デイサービス・デイケア・通所日帰り
居宅訪問(アウトリーチ)型訪問型・アウトリーチ訪問

当サイトで集めた1,297市区町村のうち、泊まりが使えるのは1,172、日帰りは1,184、訪問は1,084でした。3つそろっているのは967で、125の市区町村では泊まりが使えません。自分の市に何があるかは、料金の章のシミュレーターで市名を選ぶと出ます。

産後ケアの内容は体のケア・授乳・赤ちゃんの預かり・育児相談

こども家庭庁のガイドラインは、産後ケアの中身を「母親への身体的ケア、適切な授乳が実施できるためのケア(乳房のケアを含む)、心理的ケア、育児の手技についての具体的な指導及び相談、家族等の身近な支援者との関係調整、地域で育児をしていく上で必要な社会的資源の紹介等」と書いています。

ふだんの言葉に直すと、体を休める・授乳と乳房の相談・話を聞いてもらう・おむつや沐浴のやり方・家族への伝え方・使える制度の案内、の6つです。泊まりと日帰りなら、休んでいるあいだ赤ちゃんを預けられます。

産後ケアをするのは誰?助産師・看護師・保健師

ガイドラインは、助産師・保健師・看護師のいずれかを常に1人以上置くことを求めています。泊まりでは夜間を含めて24時間です。産後4か月ごろまでは乳房のケアが要るので、ガイドラインは「原則、助産師を中心」と書いています。

保育士や管理栄養士、研修を受けた理学療法士などが加わる施設もあります。誰がどこまでするかは施設で違うので、「助産師は常にいますか」と予約のときに聞いて大丈夫ですよ。

してもらえないこと:家事・上の子の世話・医療行為

ガイドラインの実施内容に、家事は入っていません。訪問でも、掃除や料理は頼めない前提で考えてください。家事を頼みたい方は、市に産後ヘルパーや家事支援の仕組みがあるかを保健センターで聞いてください。

上の子のケアも産後ケアの中身に入っていません。上の子を一緒に連れて行けるかは市と施設の判断で、2025年度からは兄姉を受け入れる施設に国の加算がつきました(財務省の調査票)。連れて行ける施設は上の子と一緒に泊まれる産後ケア施設の記事で探してください。病気の治療や薬の処方は医療行為なので、産科や小児科へ。

産後ケアの対象はいつまで?法律は産後1年、市の上限は4か月〜1歳

生後4か月未満・6か月未満・1歳未満のどこで締めるかは市が決めます。泊まりは4か月まで、日帰りは1歳までのように、種類で上限を分けている市もあります。

自分の市の上限は、申請タイムラインに出産予定日を入れると、申請と利用の期限の日付で分かります。制度の細かい条件は自治体の産後ケア助成の完全ガイドにまとめています。

不調の証明はいらない。初めてでも2人目でも「必要な人」は対象

ガイドラインは対象を「産後ケアを必要とする者」と書き、初めての出産か2人目以降かは問わないとしています。体調が悪い人だけの制度ではなく、「休みたい」「授乳を見てほしい」で申請してよい仕組みです。上の子の負担が大きいことも、ガイドラインは対象に含める理由に挙げています。申請理由の書き方の例は産後ケアの申請方法の記事にあります。

里帰り先や市外の施設で使えるかは、市に3つ聞くと分かる

里帰り中は、住民票のある市の助成を里帰り先の施設で使える市と、使えない市に分かれます。先に全額払って、あとで市から戻る「償還払い」の形をとる市もあります。

保健センターに電話するときは、「里帰り先の施設で使えますか」「市外の施設は対象ですか」「先に払って戻る形ですか」の3つを聞いてください。聞く文は問い合わせ文ジェネレーターで作れます。

産後ケアの料金は、日帰り1,500円・訪問1,000円が真ん中

市の産後ケアで自分が払う額(自己負担)を、安い順に並べた真ん中の値(中央値)で示します。

種類自己負担の真ん中(中央値)公式に金額を載せている市区町村の数
日帰り 1日1,500円812
訪問 1回1,000円664
泊まり 1泊2日4,250円397
当サイトで1,297市区町村の公式ページから集めた、住民税を払っている世帯が払う額(非課税世帯の割引は入れていない。2026年9月24日時点)

自分の市の金額は下のシミュレーターで出ます。市の記事を読みたい方はエリアから探すページへ。

お住まいの市区町村を選び、使いたい回数を入れると、自治体の産後ケアの自己負担の目安が出ます。金額は各自治体の公式ページから集めたもの(2026年9月時点・47都道府県1,297市区町村)で、最新の額は市の記事と公式ページで確かめてください。

1 入力→2 結果

1泊2日なら1

世帯の住民税

民間の産後ケアホテルは、1泊2日で39,000円から143,000円です(全国の産後ケアホテル一覧)。助産師のケア代は、確定申告で税金が少し戻る「医療費控除」に入れられることがあり、書き方は産後ケアの医療費控除の記事にまとめています。

無料の市区町村は126。自己負担の額は市が決める

泊まり・日帰り・訪問のどれかを無料にしている市区町村は、当サイトのデータで126です(泊まりが無料なのは123)。住民税を払っていない世帯の料金を安くするか無料にする決まり(減免)には、国が2022年度から補助を出しています。1,297市区町村のうち1,216のページに、その記載がありました。

利用料をいくらにするかは市が決めます。かかる費用は国が2分の1、都道府県が4分の1、市区町村が4分の1で分け合う決まりです(2025年度から)。住民税を払っていない世帯の条件は自治体の産後ケア助成の完全ガイドに書きました。

産後ケアは必要?不調でなくても、休みたい人は使っていい

里帰りできない・上の子がいる・夜眠れない人に向いている

私の産院では、お風呂と無料のボディトリートメントのあいだ、合わせて1日2時間ほど赤ちゃんを預かってもらえました。自分の体だけを気にしていい2時間で、気持ちがはっきり軽くなったのを覚えています。

市の産後ケアがしているのは、この2時間を1日や1泊に伸ばすことです。里帰りできない方、上の子がいて横になれない方、夜に眠れていない方なら、「不調というほどではない」と思っても使ってかまいません。休めない事情がある方は産後の無理は一生祟る?休めないときの預け先と金額も読んでください。

使われない市の課題は、施設の確保(258)と申請方法(109)

市区町村ごとに見ると、利用率40%以上と10%未満(357)が、それぞれ全体の4分の1ずつあります。

財務省は、利用率10%未満の市区町村に「利用率向上のために必要と認識している課題」を聞いています。答え(複数回答)は多い順に、実施する施設の確保258・ほかの地域の施設との契約150・市の財源149・申請方法の改善109・里帰り先との連携104でした。

利用率が低い市の課題は、読者の側ではなく、施設・財源・申請方法という市の側にあります。使うかどうか迷っている方は、産後ケアのデメリットの記事も読んでください。

産後ケアの申請は保健センターに電話、妊娠中にできる市は155

  • 市の保健センター(子ども家庭センター)に電話して、「産後ケアを使いたい」と伝える。対象の施設と申請の方法を教えてもらえる
  • 市に申請する(窓口・郵送・電子申請。母子健康手帳と本人確認書類が基本)。市から「使ってよい」という決定(利用決定通知)が届いてから使う
  • 施設に予約する。施設によっては妊娠中に予約が埋まるので、申請と並行して施設にも連絡する

当サイトのデータのある1,297市区町村のうち、記事まで書けている1,284の公式ページを見ると、「妊娠中から申請できる」と書いてある市は155、「産後に申請」と書いている市は27でした。残りの1,102は時期を書いていないので、電話で聞くのが早いです。

申請書の書き方と必要な書類は産後ケアの申請方法の記事、出産予定日からの日程は申請タイムラインで確かめられます。自分の市の記事はエリアから探すページにあります。

産後ケアのよくある質問

Q
日帰りの産後ケアは何時から何時までですか

市と施設で違います。10時〜16時や9時〜17時のように、昼をはさんだ6〜8時間が目安です。自分の市のページの「通所型」「日帰り型」の欄に時間が書いてあり、無ければ施設に聞いてください。

Q
産後ケアの泊まりに持っていくものは何ですか

母子健康手帳、本人確認書類、市の利用決定通知、母親の着替えと洗面用具が基本です。おむつ・ミルク・赤ちゃんの服は施設が用意するところと持参のところがあるので、予約時に確かめてください。

Q
赤ちゃんと同じ部屋だと休めないので、産後ケアは意味がないのでは

赤ちゃんを預かる時間帯は施設で決まっています。夜間に預かる施設なら夜に眠れますし、日中だけの施設もあります。予約の前に「夜間の預かりはありますか」と聞いてください。問い合わせ文ジェネレーターに、その質問が入っています。

Q
夫婦で泊まれますか

市の産後ケアで泊まる助産院や病院は、母親と赤ちゃんの2人が基本です。夫と同じ部屋に泊まりたい方は、民間ホテルの夫婦で泊まれる産後ケアホテルの記事を見てください。

家事と上の子の手伝いを頼みたい方は、助産師の産後ケアとは別の仕組みの産後ドゥーラとは?頼めること・料金・助成がある自治体・産後ケアとの違いも読んでください。

出典と、この記事を書いた人

この記事は、産後ケアを使った側の私が、次の資料を読んで書きました。

最終確認日 2026年10月6日。制度の金額と対象は変わるので、申請の前に市の公式ページで確かめてください。

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